荏原 畠山美術館新館開館一周年を記念し、同館の収蔵品と新作含む杉本博司作品および小田原文化財団蔵杉本コレクションから構成された本展は、日本の文化と美術を換骨奪胎し、その中に新しい光を差し入れるような作品同士のセッションをとおして、数寄の精神と茶の美とは何かを問いかけます。杉本博司は同館新館の基本設計を担当した新素材研究所の主宰者でもあり、その設計空間の趣旨を生かして企画された本展は、自身の新作およびコレクションを世界の美術館関係者および美術愛好者に向けて発信する機会でもあります。
現代に「数寄」は可能か? 杉本博司
その昔、利休の頃、茶室は囲うと言われた。造るのではない。簡素な材で場を囲い、雨露を凌ぐ屋根を架ける、侘び茶の精神だ。私はこの荏原 畠山美術館新館を、設計者として大きなコンクリートの壁で囲った。現代の茶室と思いなして。
この囲いの中で私の集め、また作った茶道具を披露することになった。こんな作家冥利に尽きることはない。自画自賛だ。
荏原 畠山美術館 新館開館一周年記念
「数寄者」の現代 ー即翁と杉本博司、その伝統と創造
開催期間 前期:10月4日(土)〜11月9日(日)
後期:11月12日(水)〜12月14日(日)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館、翌日が休館)、11月11日(火・展示替え日)
開館時間:10:00~16:30(入館は閉館30分前まで)
観覧料:一般1,500円 学生(高校生以上)1,000円 中学生以下は無料(保護者の同伴が必要)
主催:荏原 畠山美術館(東京)
特別協力:公益財団法人小田原文化財団
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