ODAWARA ART FOUNDATION

2025年05月02日

杉本修羅能「巣鴨塚 ハルの便り」のお知らせ 事業

この春リニューアルオープンした喜多能楽堂にて、現代美術作家・杉本博司の原作をもとにした杉本修羅能『巣鴨塚 ハルの便り』を上演することが決定いたしました。
杉本は、東京裁判のA級戦犯であった板垣征四郎(陸軍大将)が収監中の巣鴨拘置所で刑死直前にしたためた漢詩を落手し、それを元にした修羅能作品を書き上げ「新潮」(2013年1月号)に発表しました。その後、能公演の準備として<巣鴨塚プロジェクト>を開始し、具体的な試みの第一弾として『巣鴨塚(修羅能)』のテキスト朗読を実施。続く第二弾として2015年に朗読能『春の便り~能「巣鴨塚」より~』を巣鴨プリズン跡地近くの劇場、あうるすぽっとにて上演しました。そしてこのたび<巣鴨塚プロジェクト>の集大成として、本格的な能形式に整えた公演を、敗戦80年にあたる本年の8月15日に上演いたします。

杉本博司コメント
「言うまでもない事だが、能という演劇形式の最大の特徴は、登場人物の霊が時間を超越して現れ得ることである。私はこの手法を使って、先の大戦の記憶を、能の形式に置き換えておきたいと思った。我が国では、歴史は能という形式となって、はじめて語り継がれる歴史となる。

今、あの敗戦から八十年という歳月が流れた。その時の流れは、壇ノ浦の平家滅亡から時を経て、鎌倉期に平曲として語られ始めた、その時の流れとほぼ一致する。あまりにも生々しい歴史は、時間の濾過を通してのみ、物語へと昇華するのだ。私は今、その濾過の時が到来したのだと感じる。」


日時: 2025年8月15日(金)18:00開演
会場: 十四世喜多六平太記念能楽堂(喜多能楽堂)
主催: 公益財団法人十四世六平太記念財団、公益財団法人小田原文化財団
原作: 杉本博司『能 巣鴨塚(修羅能)』(「新潮」2013年1月号掲載)
能本: 川口晃平(能楽シテ方観世流)
演出: 大島輝久(能楽シテ方喜多流)
作調: 亀井広忠(能楽大鼓方葛野流)

番組|出演者:

解説   杉本博司

前シテ(老人)/後シテ(板垣征四郎常信の霊)   大島輝久
ワキ(唐土方の僧)   御厨誠吾
ツレ(舞人)   大島衣恵、鵜澤光
アイ(この辺りの者)   野村太一郎

笛    竹市学
小鼓   田邊恭資
大鼓   亀井広忠
太鼓   大川典良

後見   狩野了一、金子敬一郎

地謡   川口晃平、林喜右衛門、谷本健吾、武田祥照、小早川泰輝、鷹尾雄紀

チケット料金 : S席 10,000円、A席 8,000円、B席 7,000円、C席(2階)5,000円(税込)※未就学児入場不可
チケット発売日: 5月3日(土)10:00より
チケット取扱い:
 ◎インターネット予約
  喜多能楽堂チケット予約サイト(24時間対応、要登録・無料)
  https://kita-noh.com/
 ◎電話予約 ※5月9日(金)より
  喜多能楽堂 TEL:03-3491-8813(10:00~18:00 休館日あり)

  ※小田原文化財団でのチケット販売は行っておりません

お問い合わせ:
 ◎公演について       
  喜多能楽堂 TEL:03-3491-8813(10:00~18:00 休館日あり)
  喜多能楽堂ホームページ:https://kita-noh.com/
 ◎作品について       
  公益財団法人小田原文化財団 email:info@odawara-af.com

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